東京外国語大学フェンシング部

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2022年度 新入生紹介③

はじめまして。2022年度新入部員のフナバシと申します。

言語文化学部タイ語専攻の4年生で、現在はタイ・チェンマイ大学社会学部に留学しています。今年3月の終わりに帰国を予定しています。

「4年生の新入部員?」と思われた方もいるかと思います。

きっかけは、去年の2月頃に見ていた映画でした。山の上でフェンシングをする数十秒のシーンがあり、以前やっていたフェンシングをまたやりたいという気持ちが湧いてきました。それから色々と探し回ったのち、去年の3月に、外大のフェンシング部まで辿り着きました。こんな中途半端な新入部員を寛容に受けれてくれた部の皆さんには、今も感謝でいっぱいです。

自分は中学生の頃にフェンシングをしていました。当時、まだ現役だった太田雄貴選手に憧れ、フルーレを始めました。自分の通っていた中高一貫校にはフェンシング部があり、今では日本代表選手(通称、ジャパン)を毎年輩出する強豪校になっています。「強い」というイメージの裏、部内では毎週のように盗難が横行し、中高生間の上下関係も厳しく、休みたい時にも休めない…。日本の「部活」文化の悪いところを全部背負ったような場所で、自然に足が遠のいていきました。中3夏の全国大会を機に身を引き、用具も剣1本を除いて全て処分してしまいました。自分のために始めたフェンシングだったはずなのに、他人の事情で辞めなければならない。今から振り返ると、そんな苦い気持ちがまだどこかに残っていて、自分を再出発に駆り出したのかもしれません。

外大のフェンシング部に来て一番印象的だったのは、外大/他大学の部員の方やOB・OGの方、その他外部のみなさんが、文字通りフェンシングを楽しむために剣を交えている点です。当たり前のように聞こえるかもしれません。でも、7年前に自分がいた世界とは全く違う、平和で好奇心や向上心に満ちた空間に、ある種の新鮮さを覚えました。国際的な舞台における日本人選手の活躍、競技人口や指導者の増加、関心層の定着などを通して、フェンシングのようなマイナスポーツまでが相手を負かすことで利が生じるというスポーツの市場化に呑まれています。もちろん、「強くなる」「勝つ」ということを重視することも、スポーツの世界では大切です。ただ、生活の中に自然と位置付けられる知的な営みとして、フェンシングを楽しめる空間を、外大のフェンシング部には大切にし続けてほしいと密かに願っています。

現在、私はタイに留学しており、現地のフェンシングクラブでプレイしています。タイ代表選手たちと練習に励み、刺激的な日々を送っています。この話の続きは、春以降、外大の体育館で剣を交えながらお話しできれば嬉しいです。

今後ともよろしくお願い致します。

1月にタイで大会に出場したときのものです。タイのフェンサーはオリンピックでは見かけないものの、ナショナルチームには非常に技術の高い選手が揃っているように感じました。